堀江 崇
今回、私は東南アジアに行った。行く前には、東南アジアは「暑い」「辛い」という2つの大きなイメージがあった。東南アジアにフィールドワークに行くことによって、これら2つの感覚が私のイメージしているものとどのように違うのかを確かめてみたかった。講義や本で習い、テレビ番組でみるだけでは、結局「暑い」「辛い」という言葉だけで終わってしまう。それを体感してみることが、東南アジアへのフィールドワークに参加した一番の理由でもあった。
実際、東南アジアに行ってみると、まず「暑さ」は私にとっては「尋常ではない」。日本では体感できないような暑さであるように、私には感じられた。もちろん、気候帯が日本と違うのは知っていたのである。しかし、ここまで暑さが尋常ではない状態だとは思わなかった。
私の予想を超えていたのは、気候だけではなかった。生活スタイルや習慣など、さまざまな面で日本との違いを感じた。生活の制度については、日本ではないことがタイではあったりもした。例えば一日2回、公共の場所で国歌などが流れる。これは、タイが王国であり、タイ国民を統一するための一つの手段なのであろう。
また、マナーなどの面でも日本とは違う。イスラム教徒が多いマレーシアでは、左手はタブーである。だから、指を使って食べる伝統的な正式作法の時には右手だけを使わなくてはならない。また、タイでは、カミが宿るとされる頭などにさわることもタブーである。だから、日本の人がすぐするように子供の頭をかわいがるようになでるのはよくない。
私がとくに強く感じたのは食べ物の違い、味覚の違いである。マレーシアやタイにおいて、多くの食べ物が日本にはないようなトウガラシをよく用いる。辛さが苦手な私にとっては、これは私が経験したことのないレベルであり「尋常ではない」と感じられた。
旅行中ずっと、この食文化の違いに私は苦戦した。食べ物はどこに行こうと現地で生活する際にも慣れなければいけないことの一つだが、東南アジア(タイ・マレーシア)滞在中どうしても私は慣れることができなかった。味覚の違いは、私にとっては大きなカルチャーショックであった。
このフィールドワークに同行した他の人たちは、タイでもマレーシアでもそれぞれの料理を何でも普通に食べ大いに満喫しているようであった。辛いと感じていないのかと、私には不思議に思えてしかたなかった。
(国際学部学生 2004年入学)
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