2006年7月に、国際学部カリキュラムアンケートが実施されました。国際学部のカリキュラムについて、学生たちから直接意見を聞き、その結果を踏まえてカリキュラムをよりよいものにするために実施したものです。幸いなことに多くの学生がアンケートをまじめに受け止めてくれました。そのため、65%という比較的高い回収率を得ることができました。
アンケートを通して、以下の点が明らかになりました。全般的に、よい点として二つあげることができます。
(1)全般的に、教員への満足度が高いということです。
とても満足(12%)、まあまあ満足(51%)という高い数字が出ています。「親身になってくれる」、「熱心」、「丁寧に教えてくれる」という理由が挙げられています。個人的に話したり相談した際に、教員が親身になって応じている点が評価されているようです。
(2)ゼミの満足度が高いことです。
とても満足(30%)、まあまあ満足(49%)という数字により裏付けられます。その理由として「少人数のアットホームな雰囲気」、「先生や友人と親しくなれる」、「自分に関心のあることを自分で調べられる」、「いろいろな人の発表を聞ける」ということが挙げられています。
国際学部の良い点はそれなりに評価されているのですが、不満も少なくありません。
国際学部のよい点は、たくさんある(11%)、まあまあある(57%)と、相当の評価を得ています。具体的には、「外国だけでなく日本についても知識が得られた」、「グローバルな視野がついた」、「比較対照する視点を学べた」ことなどです。多面的に物事を見るという国際学部の特性が評価されています。
国際学部への不満に関しては、たくさんある(5%)、まあまあある(26%)と無視できない数字です。具体的には「学部の目的がわからない」、「就職に結びつく知識が得られない」、「特別な専門知識が得られない」などです。学際的で多様な国際学部のカリキュラムに学生が消化不良を起こしている現状、さらに国際学部の科目が実務的な内容と結びつきにくいという点で、評価を落としているようです。
具体的に授業を改善するべき点として次の点を指摘することができます。
(1)教室の授業環境を確保する必要があるということ(特に大教室)
学習環境に対する不満について、よくある(13%)、時々ある(42%)という無視できない数字が出ています。「授業がうるさい(特に大教室での授業)」、「黒板が見えない」、「私語・携帯」というのが具体的事例です。大教室の学習環境の悪さに対する不満が見られます。大人数の授業を減らすとともに、大人数の授業で静かにさせる努力、さらに見やすい板書のシステムが必要とされます。
(2)学生の理解度を高める工夫が必要であること。
難しすぎる授業があるかという質問に対して、よくある(13%)、時々ある(48%)という数字が出ています。その理由として、「先生の説明がわかりにくい」、「先生が一方的にしゃべっているだけだから」、「基礎知識の欠如」などが挙げられています。「学生の予備知識の確認」、「理解度を学生に直接確認する」ことが必要と思われます。
教え方を変えてほしいと思うことがあるかという質問に、よくある (5%)、時々ある(38%)という回答が出ています。改善点として「重要事項を板書してほしい」、「重要項目をはっきり示してほしい」、「視聴覚教材を使ってほしい」が挙げられています。「大きくきれいな字で、要点を板書」すること「大きく明瞭な声で、詳細に説明」することが求められています。
さらに自由記述に、コミュニケーションが十分に取れているという意見がある一方で、「もっとコミュニケーションをとってください」、「もっと生徒を理解してほしい」という切実な声が散見されました。我々は学生の声に謙虚に耳を傾ける必要がありそうです。
上記の結果については、教授会で全教員に対して報告がなされました。このようなことは2006年度後期からすぐにでも実行可能なものです。教員一人一人が自覚を持ち、これまで以上によりよい授業をする必要があるということが確認されました(広野)。
学生たちの声には傾聴すべき点が多々ありますね。私も反省することしきりです。改善すべき点が多いのでたいへんではありますが、千里の道も一歩からの精神で授業改善に努めたいと思います。
投稿情報: SY | 2006/11/17 01:12