志水 七虹
2月5日(土)、本学二号館一階フロアにて、大阪学院高校・大学連携講義が行われました。
当日の様子を、応援スタッフとして参加した私から報告します。
今回の講義目的はズバリ、「語り合う」こと。
私たち大学生と高校生の皆さんは、「友達」でもなければ「先生と生徒」でもありません。
身分の差や利害関係が無いからこそ、話せることがあると思うのです。
参加してくれたのは、大阪学院高校二年生の皆さん。
本学からは国際学部二、三回生を中心に計20名の学生スタッフが動員されました。
当日、朝。集合したスタッフは皆どこか落ち着かない様子で、直前の打ち合わせに追われました。
そして9:30。期待と不安が綯い交ぜになる中、学院高校の皆さんが続々と入場しました。
「皆さん、中央に集まって!」
初めは緊張の面持ちだった学生スタッフの声も次第に活気づき、大きくなっていきます。
全体の説明を終えて、次は少人数の班に別れます。各班に学生スタッフが班長として参加しました。
ここで全員にワークシートが配布され、班長のサポートのもと完成させていくのです。
ワークシートには、「自分」に関する質問がずらり。「今一番ハマっていることは?」「自分にキャッチフレーズをつけるなら?」等々……。簡単に答えられるものから、思わず考え込んでしまうものまで。班長も一緒になって、ああでもないこうでもないと盛り上がりつつワークシートを埋めていきます。
時間を置いて、いよいよメインイベントでもある「センパイの体験談」が始まりました。
まずは、留学を終え帰国した国際学部生6名が、それぞれ自分の体験談を披露してくれます。
高校生の皆さんは興味のあるセンパイの所へ集まり、熱心に耳を傾けていました。
この講義ならではのポイントは、センパイの体験談を「一方的な発表」にしないこと。
一人ひとりの目を見て話す学生スタッフは、とても生き生きしていました。
高校生の皆さんの反応も千差万別。時折「スゲェー」と感嘆の声をあげる人、話し終えたセンパイと歓談する人、ワークシートに感想をびっしり書き込む人……。そのどれもが印象的でした。
一旦自分の班に戻り、続いて、先ほどの6名以外のセンパイも体験談を話しました。
どのセンパイの所へ行ってもよいのですが、自分の班に留まる人が半数ほどいたようです。
この頃には各班のメンバーと班長がすっかり打ち解け、よい雰囲気で話し合う姿が見られました。
最後に、「今日から何ができる?」という内容の「約束カード」を各自2枚書きました。
1つは班長に渡し、もう1つは自分で持っておくためです。
次にこのカードを見たとき、自分は約束を果たせているのかな。
そのような期待に胸を弾ませながら、午後12時を過ぎた頃、高大連携講義は幕引きとなりました。
今回、学生スタッフは体験談を話すことで自分自身と向き合う機会を得られました。
体験談の多くは「過去の失敗」を交えて語られていましたが、その表情はどこか誇らしげでした。
誰だって、失敗することは嫌だし、避けたい。
けれどもその失敗を乗り越えた時こそ、人は成長するのだと思います。
自分の失敗談を屈託なく話せる人って、カッコイイと思いませんか?
過去の失敗を「そんなこともあったな」と俯瞰できた時、自分の成長を実感するのかもしれません。
大学生の私たちは、人に説教できるほど偉い立場にありません。
ゆえに語る。押しつけることなく、要求することなく、ただ「語る」。
だから、今回語ってくれたセンパイ達の言葉は、高校生の皆さんにも受け入れられたのでしょう。
また、高校生の皆さんの様子を見て、「語る」ことに対するフラストレーションを感じました。
考えてみれば、友人との日常会話は短文のやりとりが多く、「語り合う」機会はあまり無いことに気付かされます。
共通の趣味や身近な出来事で盛り上がることはあっても、自分自身の話はあまりしません。
「でも本当は話したいし、聴いてほしい!」
そのような心の叫びが、高校生の皆さんからも伝わってくるようでした。
彼・彼女らの話を聴くうち、いつの間にか私も前向きな気分になりました。
当日お世話になった先生がた。本当にありがとうございました。
今回の教訓を生かし、次回はさらに良いものにしましょう!
この試みが、第2回、第3回と続いていくことを祈りつつ。
(国際学部学生 2009年入学)
ちきゅうじんブログ、デビューおめでとうございます。常連となれるよう、さまざまな舞台を踏んでいってください。
投稿情報: 塩狩峠 | 2011/02/15 20:09