秋鹿 雄哉
私は、2008年8月から2009年1月にかけて、ニューヨーク州・ダウリング大学に交換留学生として派遣されました。
誤解を受ける表現かもしれませんが、強い動機は特にありませんでした。高校時代から英語は好きで、大学に入っても勉強を続けていたことは事実です。そしてたまたま受けたTOIECのスコアが、交換留学に要求されるレベルを越えていたのです。英語の先生に相談すると、「行ってみなさい」と背中を押されました。そこからすべてが始まりました。
留学には当然のことですが、経済的なことも関係します。私の場合は、交換留学であったのでダウリング大学の授業料は免除されました。しかしニューヨークまでの往復渡航費、食費、寮費などは自己負担でした。このことも当然考えに入れるべきでしょう。
さらにダウリング大学は、日本では、はじめて本学と学術提携をおこなったので、大学の情報を得ることが難しく、苦労しました。手続きも何かと遅れがちでした。例えば、現地に着いてから2ヶ月後に、いきなり滞納している寮費を支払うようにという通知が来ました。手続きの行き違いのようでした。もちろん大阪学院大学国際センターのスタッフのサポートで、この問題はクリアすることができました。このように留学には、勉学以外にも様々な問題に直面することになります。そしてそのことが自分の力を高めることにもつながります。
ダウリング大学ではESL(外国語としての英語)を履修しました。日本とは勉強の仕方が異なり、とまどいましたが、見よう見まねで何とか切り抜けました。困ったのは、毎週エッセイを書く課題が出されたことです。初めは書くので精一杯で、成績も悪かったのですが、書いているうちに上達し、成績も上がりはじめました。
またニューヨークで、実感させられたのは、英語はコミュニケーションのツールの1つにすぎないとことでした。表情・身振り手振りなど言葉以外のものに対する理解や、言葉の背景にある文化的なものに対する知識も必要とされます。
留学にあたっては健康管理に気をつけることも重要です。現地で病気になれば、勉学に差し支えるだけでなく、医療費もバカになりません。食事も、脂っこく、味の濃いものが多くて閉口しました。何とか自分にあったものを探すように努力しました。
はじめに書きましたように、私の場合、明確な動機があったわけではありません。「行った」というより「運良く行かせてもらった」というのが正確です。それでもやはり留学に行ってよかったと言うことができます。留学に行こうと決意をして、実行するだけでも、様々な問題にであい、それを切り抜けることで、自分をステップアップさせることができます。旅行では決して得られない成果を留学では得ることができます。日本で漫然と暮らしていては気がつかなかった多くのことに気がつきました。本学は、留学に対するサポート手厚いので、そのチャンスを生かすべきです。
(大阪学院大学大学院国際学研究科)
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