前田 達郎
私の留学生活は、波瀾万丈であった。来たばかりの頃は、言葉や食生活、生活習慣の違いのため、ホームシックにもかかった。「いっそのこと、日本へ帰ろう」と考えたことが何度もあった。しかしそんな中、なぜ私が韓国に留まれたのかには、いくつか理由があるが、やはり一番は、留学を通してできたたくさんの友達だ。
”友達は財産”というが、まさにその通りである。私と特に親しかったカナダからの留学生ダーレンには本当に感謝している。彼とは、韓国で一年間、同じクラスに通い、同じ部屋に住んでいた。まさに兄弟のような存在であった。そんな、彼との思い出はたくさんあるが、中でも私が忘れられないエピソードがある。それは、私が失恋をしたときのことだ。落ち込んでいた私を励ましてくれたのは、彼だった。最後には二人で号泣してしまった。今でも、当時のことは、しばしば話題になる。私にとって彼の存在はとても大きかった。彼に出会えて、本当によかった。
人は一人では生きていけない。国や言葉は違っても、相手を思いやる気持ちひとつで本当に理解し合い得るのだと、彼らから教えてもらった。この出会いと経験は、必ず生きてくるだろう。
どんな目的であれ留学をしたら、ほとんどの人は自分の将来について真剣に悩むだろう。留学以前の私は、確実性と安定している公務員で意思を固めていたが、留学をして半年を過ぎた頃から、自分の別の面に気づいたのだ。私の夢は漠然としているが、私は韓国語や英語をも活かした仕事につきたいと考えている。
私はこの一年間で様々なことを吸収できた。それもこれも、もし私が留学に行かず、日本に留まっているだけだったとしたら、絶対に学べなかったと思う。そして留学を終えた今、あのとき留学を決めて「本当によかった」と達成感で一杯である。もしこれを読んでくださる人の中で、留学を考えている方がいたら、是非行って欲しいと思う。
私の夢を応援してくれた両親、そしてこのような機会を与えてくださった大学関係の皆様には、感謝の気持ちで一杯だ。これから私は、就職活動や大学卒業に向けて頑張って行くつもりだ。そして自分の将来をしっかりと見つめ、切り開きたい。
(国際学部学生 2006年入学)
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