白川 沙絵
私が国際学部に入ったのは、英語だけを学びたくなかったからです。小学生のときから、英会話学校に通い、英語に興味を持ち、大学でも英語を勉強しようと思っていました。しかし親がそれを許しませんでした。なぜなら、英語ができるだけではだめだからと言われたからです。英語を勉強する人は、どんどん増えていき、将来、英語ができるのはあたりまえになる。だから、プラスアルファが必要になってくると。そのため、国際学部に入ることを決意しました。
国際学部に入学し、海外の文化に興味を持っていたため、また日本の文化・茶道を紹介したいと思い、3年生の夏から4年の春にかけて、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に交換留学しました。交換留学だったため、向こうの正規の授業を取りました。
1年生のときから、海外インターンに参加したり、国際学部で開講している外国人の先生による授業・EFL(英語で行われる特別講座)・DEP(英語で行われるハワイとの遠隔授業)などを受けたりしていました。が、長期間海外で過ごすことが初めてだったため、はじめはとても不安でした。でもいったん授業を受けてみると、大阪学院で受けていた授業内容とあまり変わりはなく、英語も聞きやすかったです。
例えば国際学部専攻科目「比較文化論」は、ほとんど英語で授業が行われ、質問や答えるときも英語でした。そのため英語で考え、意見を言うことに慣れました。自己主張をしなければならないといわれているアメリカでも、臆することなく自己主張することができました。
また国際学部には留学準備コースがあり、それをとっていたおかげで、アメリカのこと、留学のことを身近に感じることができたと思います。そのコースでは、留学事情や留学生活についての授業をとらなくてはいけませんし、外国人の先生による授業をとらなくてはいけません。その授業のほとんどが、国際学部開講です。そのため、留学のサポートは、本当に万全で、安心して、留学することができました。
向こうに行って、ただ単に英語だけ学んでいなくてよかったと強く感じました。私は茶道を習っており、向こうでお茶を立てて抹茶を飲ませてあげました。それを見た日本人留学生が、私も茶道などの伝統文化を学んでいればよかったと言いました。ただ英語だけを学んでいては、コミュニケーションをとることができません。いろんなことを学び、話のネタを増やすことにより、コミュニケーションを学ぶことができるのです。ただ英語を学ぶだけでない、国際学部に入ってよかったと改めて感じました。
(国際学部学生 2003年入学)
外国の人たちと交流を深めるために英語などの外国語を学び、さらにはその交流を円滑なものにするために相手の文化に対する知識を深め、相手の異文化を理解する。いずれも、国際学部での追究に見合った内容だと思います。
しかしながら、その陰に隠れて、意外に見落とされがちなポイントがあります。それは、相手の文化に対する理解を深めると同時に、自国の文化、歴史に対しても理解を深める必要があるということです。近年、いわゆる実用英会話教育が勢いを増してきていますが、単なる日常会話能力があるだけでは、外国人との交流を深めるという目標の達成には明らかに力不足です。その語学能力(入れ物)を使って発進するべきもの、つまり自分たちの歴史、文化、社会、生活スタイルなど、その独自性に対する理解と、自分の意見を持つ事(中身)が、極めて重要であろうと思えるのです。
白川さんのご意見を拝見し、自国の文化、あるいは日本の文化、に対する学習が、大学では重要なものであるということを再認識できました。国際学部は、そのような目的も目指せる学部であるべきだということを強く感じました。
投稿情報: 塩狩峠 | 2006/08/16 07:45