七野絵美理
1、はじめに
私はコミュニケーション力向上と、留学に興味があったので留学をしたいと思っていた。そしてフラダンス講師をしている母の勧めもあり、ハワイのマウイ島に行くことを決意した。
出発するだいぶん前から、すごく不安で、正直行きたくなくなっていた。実家に暮らしている今、4ヶ月も親元を離れて暮らしたことは1度もないし、日本とも環境が全然違う、言葉も通じないマウイで暮らしていけるのか。期待よりも不安と恐怖しかなかった。
着いて数週間は案の定、帰りたくて仕方がなかった。本当に帰ってしまおうとも考えたが、両親にも先生にも迷惑、そして期待を裏切ってしまうと思ったのでがんばろうと思った。そして、あんなに帰りたいと思っていたのに、はじめの2ヶ月はあっという間に過ぎてしまった。日本人だが友達もでき、学校も楽しくなっていた。マウイ島はハワイ諸島では2番目に大きく、ハワイというと有名人も多く訪れるため、日本人が多いイメージがあったが、実際はアメリカ本土からの観光客が多く、日本人観光客はあまり見られなかった。
2、食事
ハワイ留学では寮生活だったため、自炊をしなければならなかった。率直に言うと、日本は食べ物がおいしい!である。ハワイには、日系人も多いため、日本語で書かれた食品は比較的多かった。醤油や味の素も売っていたが、日本のものと味がまったく違うものだった。焼きそばが食べたくて作ってみたのだが、ソースもマヨネーズも何か日本のものとは味が違うため、わざわざ日本から母に送ってもらったくらいだ。
ある日、すごくラーメンが食べたくなったのでラーメン屋さんに行った。寮の近くに大きなショッピングセンターがあり、その中にある店だった。いつ見ても混んでいたので、(とてもおいしいのだろうなー)と思ってわくわくしながら店に入った。メニューには、ラーメンの他にカレー、さらにフライドチキンまで載っていた。両隣には家族が食事をしていたが、二組ともフライドチキンを食べていた。「え、ここラーメン屋だよね…?」と思いながら一番シンプルだった醤油ラーメンを注文した。値段は日本とさほど変わらなかった。しかし味は断然日本のものがおいしかった。ハワイのラーメンは、味が薄く、少しくさかった。ハワイでは寿司も人気らしく、スーパーでは必ず売っていた。まき寿司が主流で種類も多かったが、チーズやイチゴが巻いてあるものもあり、日本の寿司とは全然違う寿司だった。
しかしハワイアン料理はおいしかった。同じ学校に通っている、ホームステイをしていた日本人と仲良くなったため、しょっちゅうお邪魔しては食事をごちそうになった。特にAHI POKE(アヒポケ)というマグロ漬けのような料理はおいしかった。ハワイ語でアヒはマグロ、ポケは切り身という意味である。その他にもカルアピッグやポイも食べた。ポイはタロイモをペーストにしたもので、ヨーグルトにかけたりポテトにつけたりして食べていた。正直おいしくは、ない。しかし興味のある人は是非食べてみてほしい。
3、MLIの授業
私が通った学校はMLI(Maui Language Instituteの略)と呼ばれ、マウイ大学の敷地内にあった。マウイ大学ではいろんな学科があり、料理を学べるコースもあるようで、大学内のカフェでは、学生が働いていた。値段は高いがおいしく、いつもお昼休みは人がいっぱいだった。
クラスは3クラスにレベル分けされており、1クラス10人ちょっとだった。私のクラスはアジア人しかいなかった。日本人が一番多く、あとは中国人と韓国人だった。Speaking/Listening, Reading, Writing, Grammar, Culture, Film study の6つの教科があり、1日に3教科授業があった。授業は月曜~木曜まで9時から1時半まであった。お昼休憩は20分しかなく、カフェに買いに行く時間もないので毎朝サンドイッチを作って学校に持って行った。
Grammarでは2週間に1度単語のテストがあった。簡単だが量が多く、覚えるのが大変だった。Cultureではアメリカ文化やハワイ語を学んだ。特にハワイ語は興味があったのでおもしろかった。Film study では映画を見る授業で、最初の2ヶ月では「Better Life」、後半には「ローマの休日」を見て、映画でのセリフを二人組みを作って音読したり、内容についてのクイズを通して英語を学んだ。Writingでは毎週日記を書く宿題があり、遊びに行かなかった週などは、書くことがなくて大変だった。MLIはもともと先生の入れ替えが激しいらしく、4ヶ月の間に3人も先生が変わった。そのたびに自己紹介をし、名前を覚えてもらうのが大変であった。
4、寮生活
マウイはホームステイでなく、寮だった。私が住んだクラナアオ寮は、学生寮ではないのか、子どもがいたり家族で住んでいる人もいて、さまざまな人が住んでいた。4階まであり、中庭もあるきれいで広い寮だった。1部屋に4人が住むことができ、1室に2人が寝れるベッドが置いてある。仕切りはなく、プライベートは基本的になかった。
ルームメイトは学院生ではなく、初めはアメリカ人とルームメイトであった。しかしその子は毎日友達を部屋に呼んでは騒いで、本当に迷惑だった。夜遅くまでパーティーをしていて眠れない日もあったので寮の1階にあるオフィスに言うと、部屋を替わるには$200支払わなければいけないと言われたが、MLIの先生に相談し、苦情の手紙を提出すると、無料で部屋を替わることができた。手続きや相談など、英語での訴えは大変であったが、しっかりと訴えることでオフィス側とも理解しあえ、よい対応をしてもらったのでよかったと思った。
(国際学部学生 2012年入学)
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