6月14日のゼミナール1では、渡辺ゼミの学生12名が《折紙サイクロンMAX》を開催しました。この企画は、5月はじめにゼミ生の清水君が、「大統領の玉桜」という見事な折り紙の桜をゼミに持参してくれたことに始まります。日本の折り紙は、欧米でもOrigamiとして親しまれ、留学や旅行で海外に行った時、さりげない日本文化の紹介として折り紙を作ってあげれば、非常に喜ばれること間違いなしです。このことを念頭に、この企画では誰にでも知っていてほしい折り紙3種類を選び、中先生のゼミをゲストにお招きして、折り紙を一緒に折りながら交流することを目指しました。
渡辺ゼミでは、前週の6月7日から準備を始め、「手裏剣」の折り方を練習し、またこの企画の名称(「折紙サイクロンMAX」)を皆で知恵を出し合って決めました。11日には、コア・メンバーの清水君・柳生君・大岡君・濱田さんの4人が集まり、プログラムの作成・机の配置・メンバーの配置などをじっくり話し合って、木曜日の本番に備えました。
ゼミのメンバーは、全員あらかじめ自分で選んだ役割を分担することになっています。インストラクター役は、清水君・柳生君・山村君の3名で、メインの折り紙の説明を担当します。司会は濱田さんが務めることになりました。アシスタント・インストラクター役は、大岡君・竹内さん・岸田君・山口さんが担当し、これは中先生のゼミ生をサポートする役目です。タイムキーパー役は花岡君、フォトグラファーは安藤さん、そして高原さん・田原さんが記録係となりました。
当日は、中先生のゼミ生が教室に来る午前11時までに会場設定をすませるため、大忙しです。一人当たり6枚ずつの折り紙とプログラム・フィードバック用紙等を、人数分あらかじめ机の上にセットしました。20分の準備時間はとても短く感じられました。
中先生のゼミ生と2年生の山下さんが教室に到着して着席すると、濱田さんが挨拶をして渡辺ゼミのメンバー紹介があり、次に教室の真ん中に置かれている「大統領の玉桜」について、清水君が詳しい説明をしました。これは、「折り紙博士」として知られる川崎敏和氏が、2009年1月に就任したオバマ大統領にプレゼントするために、日米友好シンボルである桜をテーマに改良に改良を重ねた作品だそうです。ひとつの花を作るのに折り紙を15枚も使用しており、一つひとつの花弁が組み合わされて大輪の桜花が形成されている様子が説明されると、誰もが感嘆した様子でした。
「玉桜」の説明後、今日のメインである折り紙3種類について濱田さんから説明があり、さっそく最初のプログラム「ステルス(無人偵察機)」を折り始めました。これは「羽根」と呼ばれていたものですが、微妙な角度にカーブした翼が空気を捉えて滑空する様子が、アメリカのステルス無人偵察機を想起させるところから、こんな名前を付けました。イランが「撃墜」したと主張するアメリカの無人偵察機の画像を、打ち合わせの時にネットで見たりしました。「ステルス」の折り方指導は、師匠の清水君が担当し、皆の進み方を見ながら、折る手順が丁寧に説明されました。
折り上げて、ひとしきり教室内をステルスが飛び交った後で、2番目の「鶴」に入りました。広野先生からのご依頼で、何パーセントの学生が鶴を折れるか調べることになっており、折れる人に挙手してもらうと、自信を持って折れると答えた人は22人中6名(3割弱)という状況でした。鶴の折り方指導はひきつづき清水君が担当し、折りにくい所にあらかじめ折り目をつけておく丁寧な折り方で、全員素晴らしい鶴が折れました。
そして最後は「手裏剣」です。手裏剣は、折り紙を縦2枚に切るところから始まります。リハーサル時には、折り紙をうまく手で切れない人が続出したため、ハサミを用意しておきました。インストラクターたちは、リハーサルで手裏剣を未だかつて折ったことがないという渡辺先生を相手に、どうやってわかりやすく説明するかの特訓を積んできました。その甲斐あって、本番では全員が見事な手裏剣を次々と折り上げることができました。手裏剣の指導は、柳生君と山村君が担当し、一人ひとりに熱心な指導をしていました。
折り紙を終えてから全員に記入してもらったフィードバックの結果は、「ステルス」について「やや難しい(40%)」と「非常に難しい(8%)」と感じた人の割合が合計48%、「やや易しい(4%)」と「非常に易しい(12%)」が16%で、難しいと感じる人の割合がやや高めです。「鶴」については、「やや難しい(24%)」と「非常に難しい(20%)」が44%、「やや易しい(8%)」と「非常に易しい(20%)」が28%と、難易度の感じ方が広く分布しています。「手裏剣」は「やや難しい(28%)」と「非常に難しい(16%)」が44%、「やや易しい(8%)」と「非常に易しい(20%)」が28%と、「鶴」と同じような広い分布になっています。
インストラクターの説明については、「わかりやすかった」「よかった」と答える人が大部分で、「準備を丁寧に行ったことが伝わる」「目配りもできていて素晴らしい」など、非常に高い評価を得ています。アシスタント・インストラクターについては、「わかりやすかった」「困る人がいないように配置してくれてよかった」「場を盛り上げてくれた」「優しかった」「丁寧に教えてもらった」「細かいところをわかりやすく教えてもらった」など、これも高い評価になっています。
その他、今回の合同ゼミについて感想を自由に書いてもらったところ、「チームワークがすばらしい」「企画力・実行力があり、役割分担ができていて驚いた」「折り紙は外国に行くのに必要不可欠だと感じた」「楽しかった」「よく笑えた」「他ゼミとの交流が面白かった」など、多くの皆さんに楽しんでいただけたようです。今後このような企画があったら参加したいかについては、「非常にそう思う(44%)」「ややそう思う(40%)」と、8割以上の人が前向きにとらえてくれたことがわかりました。
今回の「折紙サイクロンMAX」を通じて、みんなと一緒に何かを企画するワクワク感、そして自分の役割を意識しながら、チームの一員として何かをやり遂げる達成感や喜びを得ることができたと思います。この経験は、これから様々な場面において活かされるだろうと思います。
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