吉田 綾華
私は、昨年の夏からおよそ4ヶ月に渡りハワイのマウイ島に留学に行ったのだが、本当に留学に行ってよかったと心から思う。現地の人々は、楽観的で適当な一面もあるが一方、パワーがあり、日本人のように周りの目を気にせず、互いが助け合いの生活をしていた。私はそんな生き方がかっこいいと思い、強く刺激を受けた。
留学先での英語力の向上は私の一番の課題だったが、それ以上に大事なことを学んだ気がする。その多くは、現地の人々であったり、クラスメイトであったり、先生であったりと日々の生活の中で彼らによって教えられた様に思う。
まず、ディベートの授業のなかでとても印象に残る出来事があった。そのクラスは、大きく分けてヨーロッパ、アジア、南米の生徒で構成されており、その中には私を含め日本人も何人かいたが、やはり日本人は、他の国に比べ、発音も英語を話すスピードも劣っているように思う。その中に、日本人の短所でもある少し消極的な生徒がいた。声が小さいので、先生が何度も尋ねるため余計に自信を失ってしまったのか黙り込んでしまった。すると、ハンガリーから来た男の子が、「とても素敵な声をもっているのに、もったいないよ。もっと力を抜いて気軽に答えればいいよ」と言った。
そんな素直な意見を言えるなんて凄いと単純に思ってしまった。私だったらあんな雰囲気で発言できないもの。自分を主張することは大事だと思った。自分とは違った意見や考えに触れることで、新たな発見もでき、自分のスタイルは何かとても考えさせられた。英語の勉強も自分から飛び込んでいくことが大事だと思いはじめた私は、もっと多くの人と会話をしたいと思い、積極的に話し掛けるようになった。
徐々に学校生活も慣れ始めた頃、学校の行事で近くの山にハイキングも兼ね、清掃を目的としたボランティに参加した。ハワイは大阪とは異なり道端でゴミを見たことがないくらい綺麗だ。日常生活では、まったく気にならないが、山の隅を意識して探してみると意外にもタバコの吸殻があったのには本当に残念だった。私の中でハワイは楽園なので、そんなイメージを壊したくないと必死でゴミを拾った。
また、ハワイといえば、プルメリアやパイナップル、ココナッツなどを想像するがそれらは、ほとんどが輸入だという事実を初めて知った。ショックだったが、その種からどんどん増えハワイに根づいていく。せっかく育った天然の花や植物も雑草に栄養を奪われないよう、ゴミ拾いと平行して草抜きも行った。終わった後は、大量の蚊にさされたため痒くてたまらなかったが、それを忘れさせてくれるほどの達成感でとてもいい気分だった。
この経験から、もっと人の役に立ちたい、なにか社会貢献につながらないか、と思うようになった。私の力はちっぽけかもしれないが、たとえそうであろうと1人でも「助かった。ありがとう。」と思ってくれれば、それで十分だ。留学に行く前の私はこんなこと思ったことはなかった。帰国した今は、何かボランティアとして活動できないかと、いろいろ模索中であるが、やはり自分から行動しなければ何も始まらないと思う。
(国際学部学生 2009年入学)
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