去る12月26日。吹田市立教育センター・大阪学院大学連携講座「国際理解教育 ちきゅうじん・多文化理解を進めるために」が、大阪学院大学で開催されました。小中学校の先生方をお招きして、国際理解教育をともに学びあうことを目的とした研修会です。国際学部プロジェクトKも、この催しに積極的に関わりました。
午前中には、長岡みゆき先生(国際学部)の「日本ハムファイターズはなぜ日本一になったか?異文化間コミュニケーションABC」という講演が行われました。日ハムのヒルマン監督が、大リーグで学んだ野球の手法を捨てて、日本流のやり方を受け入れ採用したことが、日ハムの優勝につながったという分析に、長岡先生が感銘を受けたことが、この講演のモチーフです。長岡先生は、ヒルマン監督の姿勢変化の中に、異文化間コミュニケーションの核心を見たのです。つまり、謙虚な姿勢で異質なものを知るということです。
午後には二つのワークショップが行われました。第一は、三輪信哉先生(国際学部)が報告者となった「具体的に学ぶ国際理解教育 大学講義での実践例:エイズ問題を考える」です。三輪先生は、大学で行っている講義の実演を行いました。
まずエイズに対する知識をチェックする20問のYES/NOクイズが行われました。その後、南アフリカでエイズが蔓延していることに対する感想が求められ、続いて自分にとって大切な人がエイズにかかったことが分かったとき、さらに自分がエイズにかかったらどう感じるか?という質問が出されました。三輪先生の意図は、エイズの問題を、他人事ではなく、自分にも関わる問題として考えて欲しいということでした。
二つの目のワークショップは、「吹田で国際理解教育を進めるために」というテーマで、参加者が7つの班に分かれて議論して、その結果を発表しました。「小中学生も海外体験をさせる」「留学生を大量に吹田に呼ぶ」「各学校の実践交流を行う」「英語学習だけでなく、異文化理解にも重点を置く」など積極的な意見が続出して、熱気あふれる報告が続き、予定時間を半時間超過したほどです。
ほぼ一日がかりの講座でしたが、参加してくださった先生の熱気のために、時間が短く感じられました。私たちにとっても普段お話しできない小中学校の先生と意見交換ができて、大変刺激的でした。国際理解教育を進めるために、この講座をますます充実させる必要があると思いました(広野)。
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