ちきゅうじんブログ

Understanding Oneself and Others (1)

秋鹿 雄哉

国際学とは社会の「グローバル｣と｢ローカル｣の二面性に注目し、比較という視点からさま ざまな現象を考える学問、と私は理解している。一言で比較と言っても、その枠組みはいろいろだ。国と国、地域と地域、集団と集団、そして個人と個人。社会 を構成するあらゆる単位にそれぞれの文化がある。今の私が重視しているのは、そのような文化間の相違点や類似点を理解し、多角的に捉えていく姿勢を持つこ とだ。｢国際学部｣という学部はまさに、それを実践する機会を得ることができる学部だと思う。

私は幸運なことに、その機会を得ることがで きた。昨年（2007年)、大学３年の夏休み、国際学部の先生や友人たちとともにタイを訪れた。９月12〜16日にかけて３泊４日の日程で行われた。私と しては、これは国際学部での授業、｢フィールドワーク｣で学んだことの実践のつもりだった。わずか数日の滞在だったが、その場に自分が行ってそこで見て、 聞いて、感じたことがたくさんあった。

実を言うと、タイを訪れるにあたって、事前にあまり下調べをしていなかった。つまり、まったくの先入観的なイメージを持ってこの国を訪れたのである。結果は、イメージ通りと新たな発見が半々だった。

イメージ通りというのは、一般にテレビや旅行雑誌に出てくるような王宮、寺院、仏像、アユタヤの遺跡群など、いわゆる観光地としてのタイ。だが、イメージ 通りだったとはいえ、やはり実際に目の前にするときらびやかだったし、壮観だった。トゥクトゥクという三輪タクシーに乗った、象にも乗った。ウィークエン ド・マーケットでお土産を買った。物価が安かった。辛い料理を食べた。暑い気候で喉が渇いた。

タイは敬虔な仏教国である。それと同時に国民の国王へ対する崇拝の念が強く、王の名のもとに国民がまとまっているように見えた。一日に２度、街中に国歌が 流れる。その間、人々はどんなに急いでいても立ち止まり、微動だにせずに敬意を表す。滞在中のある朝、アユタヤに向かうためにいたバンコク中央駅の構内 で、その光景に出くわした。私と友人は切符売り場に急いでいた。突然、構内いっぱいに国歌が響きわたった。歩いていてもその場に立ち止まり、またベンチか ら立ち上がる。私たちの周りの人々が、動いている私たちのほうを見ていた理由を後で知った。自分の無知を恥じた。無知は時として罪になる、ときには人を不 快にさせることだと、そのとき改めて気づかされた。

しかし、ここまではどちらかといえば観光旅行。私の関心はもっと別のことに向いていた。
（国際学部学生 2005年入学）

キャンパスの雪景色

２月９日は、大阪で１１年ぶりの積雪が観察されました。この日、キャンパスも雪化粧されました。滅多に見ることができない光景ですが、大変綺麗なものでした。もっとも足下が滑りやすく、またとても冷たかったことは言うまでもありません。たまに雪が降るのはいいけれども、こんなことが毎日続けば大変だと感じざるを得ませんでした（広野）。

ゼミナール１：合同報告会

１月２４日（木曜日）に、今期のゼミナール１を締めくくる合同発表会が、２号館・地下教室で開催されました。各ゼミから選ばれた代表５人が、後期に取り組んだテーマについて、それぞれ１０分程度のプレゼンテーションを行いました。

発表者と題目は次の通りです。
本田崇晃君「ユーゴスラビアの歴史　−旧ユーゴスラビア諸国の今−」
田崎梨乃さん "Issue of Yasukuni Shrine -Between Japan and Asian Countries"
上浦萌恵さん　"9.11 Terrorism or Conspiracy... ?!"
W. ウォーラット君　"Death River"
島川京子さん「日本をとりまく大国」

報告に対して、厳しい指摘や質問も出ましたが、１回生の段階で、まとまった調査報告を、パワーポイントを使い（あるいはハンドアウトを配布し）、場合によって英語で報告している学生さんを見ていて大変頼もしく思いました。

また聞く立場に回った学生さんたちも、連帯意識が生まれたせいでしょう、教員側の不手際で授業時間を相当超過したにもかかわらず、静かに発表を聞いていた姿も大変印象的でした。（広野）